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東京コミュニティースクール

東京コミュニティースクール(以下TCS)は、東京都中野区にある、3~12歳の子どもが通う全日制マイクロスクールです。少人数・異年齢による「実体験に基づく探究」と「テクノロジーを活用した学習の個別化」を実現しています。今回は、学生時代からTCSで活動し、教育スタッフも経験され、現在は法人事務局でコアメンバーのおひとりの永易さんにお話をお聞きしました。


東京コミュニティスクールに携われた経緯を教えてください。
もともと教育関係の仕事につきたいと考えて就職活動をしていました。大学のサークル活動で、子どもの発達を身近でみて、自分たちのわずかなサポートであっても子どもたちが大きく成長するところに感動を受け、これを仕事に出来たらと思ったことが原点です。当時杉並にTCSはあったのですが、その創立者である久保の言葉や思いが、サイトに載っていて、私がやりたいことってここに具現化されていると感じたことが始まりです。大学卒業後に取得した教員免許を活かして、小学校の先生になる道も考えましたが、インターンシップから参加し以来、気づいたら教育スタッフ・事務局スタッフになっていました。あっという間ですね、本当に。

インターンシップがその後に結び付いているということですね。
そうですね。最初は児童3名から始まったスクールで、現在も全校児童56名ほど、規模としては大きくはないですが、ここでやっていることは非常に意義深いことだと思い、そこから自分も学びたい、自分自身の成長に繋げたいという思いが強かったです。

入学している子どもはどんな子どもが多いですか?
公立の小学校などから編入するケースもありますが、ほとんどの子どもは、一年生の4月から入学してきます。公立校や私立校などと比較し、どの選択肢が子どもにあっているか親御さんが判断して、TCSに入学を希望してきます。学びの選択肢の一つとして、認知されているように思います。

授業の内容はどう組まれているのでしょうか?
子どもは、もともと知識がないからそれを大人が埋めていく必要があるというのではなく、子どもは元々有能な存在であるという考え方がベースにあります。そのため、トップダウンで何かを教えるというよりはみんなで考えるテーマ学習、 プロジェクト型の学びというのを中心に行っています。6週間ごとに1つのテーマで学びを進めているのですが、どのテーマにもスタッフ全員でプランニングをします。スタッフはそれぞれ個性があって、得意分野もティーチングスタイルも異なるので、個々の強みをうまく子どもたちの学びにつなげられるように工夫しています。子どもたちは、答えがない問いに日々取り組んでいます。社会に出ると、答えが明確にあることの方が少ないですよね、そのような状況にTCSの子どもたちは、幼いうちから向き合っています。卒業する時には立派で真剣な表情で卒業して行くのを見ていると毎回感動する気持ちになります。

FITの支援金はどのような方法で使われたのでしょうか。
学校外の学びの場、不登校のお子さんを対象としてフリースクールなどとのつながりを作ることを目標にしています。どの教育機関を選ぶにしても、理由は違えど、お子さんの笑顔のため、より本質的な学びのためという目的は一緒だというところから、2年前に「東京都フリースクール等ネットワーク」をつくりました。ネットワークを作って情報発信や行政等との対話ができるような場があれば、学校外の学び場への社会的認知も向上すると考えます。出席要件などの規制緩和や経済的支援など、公的支援を働きかけています。今回のFITの支援金によって、そういった学校会の学び場が連携しながらムーブメントを自分たちで起こし、情報発信をするプラットフォーム(サイト)やきっかけ作り(動画制作)を行いたいと思います。

東京のフリースクールはどの程度の規模なのでしょうか?
個人会員が260名位、スクール会員が25校ほどです。横のつながりとして、例えばコロナ禍により、各スクールがどう対応をしているかなどの情報交換も頻繁にしています。

最後に記事を読んでいる人にひとことお願いします
このような大きな援助を受けまして、新しいことに挑戦させていただく機会をいただけたことは非常にありがたいと思っています。コロナの前までは、保護者や一般の方々には見学日を設けて来校していただいていましたが、状況が悪化した時はオンライン見学にしたこともありました。
コロナ後の世界でもリモートと対面の両方の良いところをバランスを取り入れながら子どもたちの成長に少しでも役立てるような仕組みをさらに発展させていきたいと思っていますので、引き続き皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いします。

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