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特定非営利活動法人AYA

特定非営利活動法人AYAは、病気や障がいのある子どもたちとそのご家族が直面する、見過ごされがちな社会課題の解決に取り組んでいます。スポーツ・芸術・文化の体験を通して、子どもたちの世界観が広がるような機会を提供し、公教育外の体験格差の解消を目指しています。今回は代表の中川さん、メンバーの岡田さん、布村さんの3人にお話を伺いました。


設立2周年のイベントの様子
(右から)中川代表、岡田さん、布村さん。団体を紹介するトーク企画で、談笑

中川さんがNPO法人を立ち上げ、活動を始めたきっかけを教えてください

幼い頃、家族ぐるみで親しくしていた幼馴染がいました。その妹さんが、当時まだ治療法のなかった難病を発症したのです。彼女は8歳で診断を受け、1年も経たないうちに寝たきりの生活になりました。彼女の母親は「寝たきりになっても、いろいろな体験をさせてあげたかった。でも外出にはアクセスの壁が多く、たどり着けても周囲の目が気になって、結局ほとんど連れ出せなかった」と話してくれました。亡くなってから20年近く経った今も、「それでも外に連れ出すべきだった」と後悔されているんです。私は高校生の頃にこの話を聞き、それが医師を目指す大きなきっかけになりました。

医師になった後は、小児科ではなく消化器外科や救急の現場で働いてきました。その中で病気のお子さんやご家族と接する機会が増え、同じような悩みや思いを抱える親御さんの声を耳にするようになりました。さらに4年ほど前、とある人との会話をきっかけに、「自分はやっぱり病気や障がいのある子どもたちのために何かしたい」と強く感じるようになったんです。その思いに突き動かされて、AYAを立ち上げました。

ちなみにAYAという名前は、幼馴染の妹の名前「あやこ」に由来しています。今は私が代表として活動していますが、いつか代表を降りる日が来ても、この団体の原点はあやちゃんであることに変わりはありません。その思いを込めて、団体名を「AYA(あや)」としています。

団体の活動において困難なことはありますか

中川代表:困難に感じることは、すぐには思いつきませんね。アイデアや工夫次第で、活動の障壁となるようなことは、最終的にはそれなりに取り除けると思っているからです。アイデアの実現化に向けて、団体一丸となって協力しています。具体例を挙げると、映画館を貸切ったイベントの際には、車いす、バギーやストレッチャーの子どもたちにたくさん参加してもらいたいのですが、映画館にはそのスペースがない。そんな場合でも、建築の専門家に話を聞いたり、みんなで学んだりしながら何が課題となっているのか把握し(この例で行くと消防法の火災予防条例)、 問題解決していく、というアプローチで挑戦し続けています。


2025年3月30日に開催『AYAインクルーシブ映画上映会(in佐賀)』のイベントの様子
車いすやバギーのお子さんも多数参加

メンバーの皆さんが団体の活動を通してやりがいを感じた場面について教えてください

岡田さん:全国展開でイベントを開催していますが、地方で、その場所に住む人たちへAYAの活動を届けられた時、特にやりがいを感じます。

布村さん:メンバーのアイデアや工夫を凝らしたイベントで、参加者やボランティアの方から感謝の言葉を頂いた際に、やりがいだけでなく、感動を覚えました。また、イベントの事後アンケートを読んだ時、参加者のご家族は本当に苦労されていて、ただ1回映画を見るということがどれだけ特別なことなのか、ということを知ったんです。その時、AYAのイベントをやってよかったと改めて思いましたし、この活動を続けていく必要があると痛感しました 。

FITの寄付金の活用法について教えてください

中川代表:FITに頂いた寄付金で、まず団体ホームページの改修をいたしました。また、イベント回数や参加者が増え、これまで人海戦術でまかなっていた事務作業を、テクノロジーの力を使って効率化させたいと考えています。さらに、映画館や寄付をしてくださる方の情報なども、データベース化していけたらよいですね。

今後の団体の活動について教えてください

中川代表:まず2025年度中に、 47都道府県全てで、少なくとも1回、映画イベントを開催する予定です。そして2027年度に、47都道府県で同時に映画イベントを開催したいと考えています。そうすることで、病気や障がいのある子どもたちや家族のことを社会に認知してもらう良いきっかけになるのではないかと期待しています。

2027年にこれを達成した後には、この映画での成功モデルを横展開し、2030年までにスポーツや音楽といった他の娯楽においても、病気や障がいのある子どもたちとその家族が楽しめる「日」を設立していく、そんな特別な日を四半期に一度ペースで開催していくことを構想しています。

病気や障がいのある子どもたちが外出する頻度が増えることで、娯楽事業に関わる人達や一般の方の理解や認知度が上がっていくと考えています。5年後くらいには、誰もが知る人気テーマパークを貸し切りにするイベント開催なんかも実現できたら面白いなぁ、と妄想しています。


団体設立2周年を記念して行われたイベントの様子
イベントに参加いただいたご家族と、AYAスタッフとの記念撮影

最後に伝えたいメッセージがあれば教えてください

中川代表:この度は寄付を頂きありがとうございました。多くの方にAYAの活動に遊びに来てほしいと思います。ホームページ等からイベントの告知を行っていますし、ボランティア登録の問い合わせもできますので、是非よろしくお願いします!

特定非営利活動法人AYA
https://aya-npo.org

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